天守と櫓
天守は、ふだん人が住む建物ではありませんでした
暮らしの場は御殿で、天守は物を納め、見張り、城の格を示すための建物です。内部に畳が敷かれていないのはそのためです。
天守の造りの型
- 望楼型
大きな下層の上に、物見のための小さな上層を載せた形です。下層の屋根が大きく張り出し、上下で建物の向きが変わることもあります。
- 層塔型
各階を同じ向きに、少しずつ小さくしながら積み上げた形です。規格が整い、建てる手間が読みやすくなります。
- 連結・連立
天守の脇に小さな天守や櫓をつなげた構えです。渡り廊下で結ばれ、全体で一つの固まりになります。
- 階の数え方
外から見える屋根の数と、内部の階数は一致しません。屋根裏の階があるためで、「五重六階」のように重と階を分けて数えます。
現存と再建は造りが違います
各地の天守の多くは、後の時代に建て直されたものです。外観を元に近づけた木造の再建と、内部を展示施設として造った鉄筋の再建があり、階段の勾配や床の造りが元の建物とは異なります。
櫓は、曲がり角に置かれます
櫓は、石垣の隅や堀に面した位置に建てられた建物です。物を納める役割と、外を見張る役割を兼ねています。
隅に置かれるのは、そこから二方向を同時に見通せるためです。塀に沿って進む者を、横から見られる位置になります。
建物が石垣の縁ぎりぎりに建つのは、下を見下ろすためです。
屋根まわりの飾り
- 破風
屋根の三角形の部分です。形によって切妻破風、入母屋破風、唐破風などと呼ばれ、組み合わせ方で外観の印象が決まります。
- 鯱
屋根の両端に据えられる飾りです。水に関わる想像上の生き物とされ、火除けの願いが込められているといわれます。
- 壁の仕上げ
白い漆喰で塗りこめたものと、下見板を張って黒く見えるものがあります。見た目の違いは、工法と時代の違いでもあります。
- 窓と狭間
見張りのための窓とは別に、細い穴が開けられています。これを狭間といい、形によって用途が分かれます。